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キャリアと格安SIMの違いは?

格安スマホ 格安スマホSIMとキャリアの違いについて解説 スマホ全般

格安SIMの話の中で、よく「キャリア」という言葉が出てきますよね。
キャリアと格安SIMが比較されたり、あるいは格安SIMのキャリアが○○であるという使われ方がしたり……。
文脈によってキャリアの指す意味が微妙に違ったりするので、ちゃんと理解していないと何について話しているのかわからなくなりがちです。

そこで、混乱しがちなこの「キャリア」の意味と、格安SIMとの比較などについて解説します。

そもそもキャリアって何?

「キャリア」という言葉はスマホやネット回線の専門用語ではなく、一般的な単語です。
ネット回線関係では基本的に「回線事業者」を指すのですが、格安SIM登場後は一部の回線事業者のみを指す言葉として使われることがあります。

というのも、3大キャリアであるドコモ・au・ソフトバンクはそれぞれ日本全国に通信網を張り巡らしており、自前で通信設備を保有しています。
その後、これらの3大キャリアの通信設備を借り受けて廉価な通信サービスを提供する「格安SIM」という事業形態が生まれました。
言葉の定義上、通信設備を保有する3大キャリアも保有していない格安SIM事業者もキャリアには違いないのですが、文脈上この2つを区別して呼びたいことがあります。
そのため、3大キャリアの3大が略される形で、通信設備を保有する事業者のみを指して「キャリア」と呼ばれることが多くなりました。

現在は楽天がキャリア事業に参入したため4大キャリアとなりましたが、楽天回線を使用する格安SIMはまだ無いため、格安SIMの話題としては特に変化はありません。

ちなみに正式には、通信設備を保有する事業者はMNO(Mobile Network Operator)、保有しない格安SIM事業者はMVNO(Mobile Virtual Network Operator)と言うのですが、覚えにくいのか技術的な文書以外ではそれほど使われていません。

キャリアと格安SIMの違い

言葉の定義はさておき回線を選ぶ側としては、自前で回線設備を保有するキャリア自身が提供する回線サービスと、キャリア回線を借り受けてなされる格安SIMでのサービスの、品質の違いは気になると思います。

格安SIMはキャリアから回線を帯域幅(どれだけデータを流せるか)を定めて借りています。
ユーザー数に対して十分な帯域幅があればキャリアと同等の速度が出ますし、不十分であれば混雑によって速度が低下し反応が悪くなります。
実際のところ格安SIMは文字通り格安料金でサービスを提供しているため、コスト的に余裕を持った帯域幅を確保することは難しく、基本的にはキャリアとの速度はそれなりにあると思った方がいいでしょう。

ただし最近の格安SIMの傾向としては、混雑時間帯も極端な速度低下が起こりにくくなりどんな格安プランでも実用的なサービスが提供されています。
一時期は平日の12〜13時など特定の時間帯はほぼ使用不可能というレベルまで速度が落ち込んでいましたが、最近は多くの格安SIMが平日昼にも最低限の実用的な速度を確保しています。

もう一つ、NUROモバイルのNEOプランに代表されるような、格安SIMながら回線速度の速さを売りにするサービスも最近は増えてきました。
NUROモバイルはNEOプラン専用の帯域を確保することで高速通信を実現しているとのことで、このような高速な格安SIMを選べばほぼキャリアとは変わらないサービスが受けられるでしょう。

キャリアの違いによる影響は?

では、格安SIMのキャリアによる違いはどうでしょうか?つまり、ドコモ回線を借りている格安SIMとau回線を借りている格安SIMで、同条件ならば品質に違いはあるのか?という話です。

これは、実使用感の観点から言えばほとんど気にする必要は無いでしょう。
格安SIMの性質上、キャリア回線の特性よりも先に帯域幅の問題が出てくるため、キャリア回線の速度よりも格安SIM事業者がどれだけの帯域を確保しているかのほうが圧倒的に重要だからです。

あえて違いを挙げるならば、昔からau回線は平日昼など混雑時の速度低下が若干少ないと言われてきました。
一昔前のドコモ系の格安SIMは帯域が狭かったこともあり、本当に平日昼は使用不可に近い状況だったため、au回線はそれに比べて比較的マシだったということはありました。
今はドコモ系の格安SIMも全体的に改善していて、平日昼も極端に遅くなることは少なくなりました。
それでもまだ、混雑時はauに多少分があるというデータもあります。

au系の格安SIMについては、当サイトで過去にまとめていますのでご覧ください。

格安SIMの土台となるキャリアを意識してみよう

このように、私たちが格安SIMの回線サービスを使うとき、実は間接的に3大キャリアの回線を使っているのです。
ですので速度こそ違いはありますが、通信エリアなどはキャリア回線のエリアと全く同一であり、4G回線の人口カバー率はどれも99%超です。
そのようなバックグラウンドがわかれば、「格安SIMなんて、急に出てきたよくわからん会社がやってるサービスなんて信用できない!」などという不安は要らないこともわかるでしょう。
これから格安SIMを選ぶときは、その土台であるキャリアについても少し意識してみてはいかがでしょうか。

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