格安SIMは何といっても安いのが売りですが、キャリアの複雑なプラン構成と比べてシンプルでわかりやすいという点も好評で、格安SIMへ乗り換えのモチベーションの1つとなっているようです。
しかし、キャリアのサブブランドは一部ややこしい割引等を引き継いでいるものもあります。ソフトバンク系列のワイモバイルも、回線品質が高く良いサービスを提供しているのですが、プランがややわかりづらいところがあります。
特に家族割とシェアプラン・シェアプランセット割は競合するサービスなのですが、仕組みが複雑ですので、この点に絞って攻略していきたいと思います。
ワイモバイルの家族割とは
ワイモバイル公式の料金ページを見ると、各プランごとに2種類の料金が書かれているのが目に入ります。このうち安い方の料金が家族割の適用後料金です。
ワイモバイルの家族割は、同じ血族もしくは同居人に適用される割引のことで、シンプルS/M/Lそれぞれ基本プランの料金から1,188円/月が割引されます。注意して欲しいのは、1回線目については割引が適用されず、あくまで2回線目以降の割引となります。
家族割の対象となる条件は、同居しているか同じ血族であることです。
同居に関しては同じ住所であることを証明できればよく、公式ページにも同居の恋人でもOKと書かれていますので、法律上の続柄については問われないものと思われます。
ただし別居の血族に関しては、法的に同じ血族であることを証明する戸籍謄本や住民票記載事項証明書・健康保健証などが求められますので、適当に家族を名乗って適用を受けることはできません。
容量をシェアできるシェアプラン
一方で容量をシェアできるシェアプランというものも存在します。家族割はあくまで別々にプランを契約し、2回線目以降についてプランの料金を割り引くだけですが、シェアプランは1つのプランの容量を全員で分け合うことになります。
シェアプランではシェア元の親回線を除いて3回線まで子回線を紐付けることができ、子回線の数にかかわらず料金は一定です。
親回線のプラン | シェアプラン料金 |
---|---|
シンプルS | 1,078円 |
シンプルM/L | 539円 (シェアプランセット割込み) |
料金は以上の通りで親回線のプランによって異なり、シンプルM/Lのみシェアプランセット割が適用され半額となっています。
じゃあ、どっちを選べばいいの??
シェアプランがシンプルSとシンプルM/Lで料金が違うことが、家族割との比較において話をややこしくしています。
まず、2回線における最安維持を考えてみましょう。とにかく容量は要らないから家族で安く2回線を持ちたいというケースです。1回線目はシンプルS、2回線目はシンプルS+家族割とシェアプランで比較してみます。
1回線目 | 2回線目 | 合計金額 | |
---|---|---|---|
シンプルS+シンプルS(家族割) | 2,178円 | 990円 | 3,168円 |
シンプルS+シェアプラン | 2,178円 | 1,078円 | 3,256円 |
親回線がシンプルSの場合、シェアプランセット割が適用されないため家族割で2回線申し込んだ方が安くなってしまいます。容量も合計で2倍使えますので、家族割の方が全面的にお得です。
一方で、親回線がシンプルM以上になると、今度は基本的にシェアプランのほうがお得になります。次は家族2回線で合計30GB程度になるような組み合わせを考えてみましょう。
1回線目 | 2回線目 | 合計金額 | 合計容量 | |
---|---|---|---|---|
シンプルM+シンプルM(家族割) | 3,278円 | 2,090円 | 5,368円 | 30GB |
シンプルL+シンプルS(家族割) | 4,158円 | 990円 | 5,148円 | 28GB |
シンプルL+シェアプラン | 4,158円 | 539円 | 4,697円 | 25GB |
シェアプランが安い分合計容量は若干少ないですが、大容量プランでは容量をシェアできるというメリットも大きくなるため、全体的な使い勝手としてもシェアプランに軍配が上がるでしょう。
もちろんシェアの子回線が2回線以上になれば、25GB以上を必要としない限りシェアプランが圧倒的に優位になります。
シェアプランをうまく使えば高コスパ回線に
ワイモバイルは公式で家族割を前面に打ち出しており、一方でシェアプランについてはあまり触れていないため、シェアプランの存在自体を知らなかったという方もいるのではないでしょうか。
公式サイトではシンプルMをおすすめプランとしていますが、シンプルMを選ぶとシェアプランセット割が適用になり、シェアプランをよりお得に使うことができます。特に2回線以上をシェアの子回線としたときのワイモバイルのコスパは、格安SIMの中でもかなり高いものとなるでしょう。
家族でワイモバイルを契約したいという方は、家族割とシェアプランのどちらがお得なのか、契約前に比較してみることをおすすめします。
article