格安SIMが利用するキャリア回線は、かつてはドコモ回線が圧倒的に多く、それ以外の回線を用いる事業者はごく少数でした。
しかし最近では風向きが変わっており、特に本格的に始まりつつある音声通話対応eSIMサービスでは、各社ともau回線を採用するなど、au回線が優位になっているところもあります。
そこで、今回はeSIMでドコモ回線を使いたいという観点から格安SIMを選んでみたいと思います。
特に複数の回線を契約する場合は、キャリア回線を複数に分けることが重要ですので、メインSIMにauやソフトバンクを選んでいる方はぜひご覧ください。
バックアップ回線の選び方
格安SIMを2回線以上契約し運用する方が増えてきています。その理由は人により様々だと思いますが、auの大規模障害が起きた以後は、バックアップ回線として2回線目を申し込む方が多いのではないでしょうか。
片方が使えなくなってももう片方が使えるように、といったバックアップ用途の回線を選ぶ場合、メイン回線とは違う回線を使った格安SIMを選ぶ必要があります。
例えば、メインSIMがドコモ回線を使った格安SIMで、バックアップに同じドコモ回線を使った格安SIMを選んでも、ドコモの回線設備に障害が起きたら両方とも使えなくなってしまいます。
これはau回線・ソフトバンク回線にも同じことが言えますが、ドコモ+auやドコモ+ソフトバンクなど、異なる回線から選ぶことで初めてバックアップ回線として機能します。
また、eSIMの普及によりeSIM搭載端末も増えてきました。特に最近のiPhoneはeSIMを全機種に搭載しています。
eSIMは各種手数料が安い・格安SIMによっては月額料金も安いなど、バックアップ回線にぴったりです。
現在の一般的なSIMスロットの構成はnanoSIM+eSIMとなっているため、そのような構成でメインSIMにnanoSIMを使っているならば、バックアップ回線は自ずとeSIMを選ぶことになるでしょう。
ドコモ回線で音声通話対応eSIMはほとんどない!
格安SIMでもeSIMサービスを提供する事業者は増えてきましたが、実は2022年10月現在、ドコモ回線の音声通話対応eSIMサービスはほとんどないのです。
当サイトで紹介している格安SIMの中では、ドコモのサブブランドであるahamoしかありません。
2022年8月にマイネオが音声通話対応eSIMサービスの提供を開始したのを皮切りに、HISモバイル・IIJmioと、キャリアのサブブランド以外で音声通話eSIMのサービスが広まっていますが、全てau回線のみの提供です。
マイネオではドコモ回線の音声通話対応eSIMも2023年以降提供予定とアナウンスしておりますが、どうも技術的な要因があるようで、もうしばらく待たなければならないようです。
ですので、現時点で電話番号付きの回線をeSIMで契約したいとなると、選択肢がahamoくらいしかありません。
ahamoは20GB/2,970円のワンプランのみの提供ですので、使い方によりますがサブの格安SIMに据えるにはオーバースペック気味であり、メイン回線をahamoにするのが一般的でしょう。
au回線なら
ドコモ回線のahamoをメインにすれば、サブ回線もeSIMにしたい場合というでも、au回線の格安プランはたくさんありますのでよりどりみどりです。
例えば、音声通話対応で1,000円以下の条件では、以下のようなau回線のeSIMサービスが候補になります。
・マイネオ マイそくライト(660円/月)
・HISモバイル 自由自在290プラン 1GB(290〜550円/月)
・IIJmio 2ギガプラン(850円/月)
データ専用ならばIIJmioなどもあり
逆に、電話番号が要らないならば、ドコモ回線のeSIMサービスは他にも選択肢あります。
サブブランド以外の格安SIMではIIJmioがいち早くデータ専用eSIMサービスを提供しており、現在でも格安SIM内でトップクラスのコスパを維持しています。
IIJmioのデータ専用eSIMのプランは、2ギガプランが440円・4ギガプランが660円など、圧倒的な容量あたりの安さで他の追随を許しません。
普段LINEなどで連絡を取っており、データ通信さえできれば必要な連絡が全て取れるという場合は、データ専用SIMで安くバックアップ回線を用意するのもおすすめです。
バックアップ用途以外にも、容量単価が安いことを活かしたメイン回線の容量不足を安価に補うためのサブSIMとして優秀です。
まとめ:ドコモで音声通話対応eSIMならahamo一択
以上、ドコモ回線を使えるeSIMサービスについて見ていきました。
2022年現在では、ドコモの音声通話eSIMは基本的にahamoを選ぶことになります。そしてahamoはメイン向けのSIMなので、自ずと構成が限られてくるのは説明した通りです。
2023年からは他社からもドコモ回線を使った音声通話eSIMサービスが始まる予定ですので、より柔軟な運用ができるようになるでしょう。
それまでは、ahamoを軸とした構成を考えるか、eSIMには選択肢の多いau回線を採用するかのどちらかを、料金などを比較しながら選んでみてください。
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