旅行代理店が展開し、業界最安値を誇るSIMとして有名なHISモバイル。
物価が上がるのに給与が上がらない世相において、契約者が増加中です。
そこで気になるのが回線速度ではないでしょうか。
結論から申し上げると「普通」であり、厳密には「条件次第では速い」といえます。
この記事では、そんなHISモバイルの回線速度について詳細を記していきます。
業界で最安の部類1GB・550円
HISモバイルは1GBの音声通話契約で550円を設定しています。
また、使用データ量が100MB未満の月は290円に値下げもしてもらえるため、月々の使用量が少ない方に特に適した格安SIMです。
HISモバイルを選ぶ際には、この価格設定と速度・安定性を天秤にかけて評価する事が基本となります。
価格に対する詳しい解説はこちらの記事をご覧ください。
遅いという評価には語弊がある
HISモバイルの速度はどうかな、と検索をかけてみると「通信速度が遅い、繋がらない」という評判がトップに表示されてしまいます。
ここで契約をためらう方もいらっしゃるかと思いますが、実際のところは格安SIMとして、致命的なほど遅いわけでも通信の安定性が悪いわけでもありません。
そもそも論になりますが、格安SIMとは条件次第で遅かったり繋がらなかったりするもので、代わりにキャリアより大幅に安価な料金プランを実現している存在なのです。
いつ如何なる時でも速い訳ではないが、使い方でカバー可
まず、格安SIM(いわゆるMVNO)は時間帯によってどうしても遅くなります。
これはHISモバイルを含めて、格安SIMは回線をドコモ・au・ソフトバンクの大手3社から「一部」借りてユーザーへ提供しているためです。
道路に例えれば大手3社が自前で整備している道路は4車線以上の広大なものですが、格安SIMが借り受けているのはたったの1車線という状態です。
当然、多くの自動車が通行すれば簡単に渋滞を起こしてしまいます。
このため12~13時頃のお昼休みや、夕方~就寝前といった多くの人がネット接続する時間帯は遅くなってしまうのです。
逆にいえば、この時間帯を意識して避ければ問題は起こりません。
なお、格安SIMで例外になるのは、大手3社自らが提供する格安プラン(いわゆるサブブランド)であり、これらの回線速度は大手3社の「そのもの」です。
条件によっては超高速な場合も
回線速度を決めるのは契約者数と回線の太さのバランスなので、例えば東京23区内のように人口密度の高い地域ですと不利になる可能性が高くなります。
逆にいうと地方住まいの方が契約される場合、大本のドコモ回線もしくはソフトバンク回線自体の繋がりに問題がなければ、快適な通信を行える可能性が高くなります。
(あくまで理論上の話です。地方なら必ず快適に使えるという訳ではなく、その土地での契約者数と回線整備状況に左右されます)
au回線は選べない
HISモバイルはドコモとソフトバンクの両回線に対応していますが、唯一au回線のみ非対応となっています。
音声SIMはドコモ回線のみとなりますので音声SIMの場合はauやソフトバンク回線は選べないところに注意が必要です。
au回線は音声でもデータでも利用ができませんのでau回線を使用したいユーザーには向きません。
お昼・夕食頃の利用が多い方には向かない
格安SIMは回線をドコモ・ソフトバンクからごく一部を借り受けてユーザーへ提供しているために、多くの人間が同時に通信を行う時間帯を苦手とします。
この時間を避ければ問題は起きません。
しかし「その時に使えないのでは意味がない」という方には、契約をおすすめしかねる内容となっています。
その場合はIIJmio等、大半の回線を自前で運用する「フルMVNO」と呼ばれる格安SIMを選ぶと良いでしょう。フルMVNOなら借りた回線に頼り切りにならないため、速度低下の起きにくい特徴があります。
また、それでも足りない場合は、ahamoやUQモバイル、ワイモバイルといった大手3社自身が提供している「サブブランド」を選ぶと改善される可能性があります。
まとめ:速度は普通。最安値運用を求める人の為のHISモバイル
キャリアのサブブランドおよびフルMVNOを除くと、格安SIMの速度にはそれほど大きな差が出にくいのが現状です。
厳密には、格安SIMが大手キャリアから借りた回線の太さによって多少の差は出ますが、借りる量が多ければ、その分コスト=利用料金に跳ね返ります。
格安SIMはその名の通りの格安料金を実現するため、設備運営に巨大なコストはかけられません。なので速度に関してはフルMVNOではない格安SIM同士では差が起きにくく、速度以外のサービスにおいて差別化を図る、という構造になっています。
HISモバイルはその中においては、サービスよりもシンプルに安さを求めた内容です。
回線速度に関してはHISモバイルでダメな場合、他のドコモ・ソフトバンク系の回線を使う格安SIMを選んでもあまり快適にならない可能性が高いといえるでしょう。
逆にいえば、他の格安SIMで快適だったならばHISモバイルへ乗り換えれば、その優秀な料金体系の恩恵にあずかれる、という事にもなります。
最安値な分、手厚いサービスを求める方には向きませんが「とにかくスマホは安く運用したい!」という方には、第一に提案できるのがHISモバイルです。
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