au系のサブブランド回線であるUQ mobileは、2023年6月1日より基本プランを一新し新プランへと移行します。
この新プランですが、旧来のプランと対応関係のない全く新しい内容となっており、さらにプラン間で単純な上位・下位関係となっていない独立した3プラン展開でややわかりづらいところがあります。
そこで、UQ mobileの新プランを紹介するとともに、どのプランがおすすめなのかを解説したいと思います。
新プランの紹介
コミコミプラン
コミコミプランはデータ容量が月20GBに加え、1回あたり10分以内の国内通話が無料となるプランで、月額料金は3,278円となっています。
……気付かれた方もいるかもしれませんが、ahamoにかなり似た内容で月額料金も同一となっており、ahamo対抗を強く意識して作られたプランです。
本家ahamoと比べて「累計10分/月までの通話料が無料」から「1回あたり10分以内の通話料が無料」にグレードアップしており、通話をよく使う方にとってはかなりお得になっています。
後述するトクトクプラン・ミニミニプランと違って「自宅セット割」「au PAY カードお支払い割」がなく、誰がどう支払っても3,278円とシンプルで、新プランの中では最も素直におすすめできるプランと言えるでしょう。
トクトクプラン
トクトクプランはデータ容量が月15GBで通信量が1GB以下ならば月額料金が1,188円安くなるという、いわゆる段階型のプランです。
月額料金は3,465円(通信量1GB以下ならば2,277円)ですが、自宅セット割とau PAY カードお支払い割を両方適用すると2,178円(同1GB以下990円)まで下がります。
ミニミニプラン
ミニミニプランはプラン名の通りデータ容量が最も少なく、月4GBで月額2,365円のプランです。
こちらも2つの割引を適用すると月1,078円まで値下がりします。
また、コミコミプランとトクトクプランはデータ容量超過時の通信速度が1Mbpsですが、ミニミニプランのみ300kbps制限となっているため、データの使い過ぎには注意が必要です。
以下、3プランを表にまとめます。
コミコミプラン | トクトクプラン | ミニミニプラン | |
---|---|---|---|
データ容量 | 20GB | 15GB | 4GB |
月額料金 | 3,278円 | 2,277円(通信量1GB以下) 3,465円(通信量1GB超) | 2,365円 |
月額料金(割引適用時) | 3,278円 | 990円(通信量1GB以下) 2,178円(通信量1GB超) | 1,078円 |
容量超過後の通信速度 | 1Mbps | 1Mbps | 300kbps |
その他 | 1回10分以内の国内通話無料 | – | – |
見て分かる通り3プランは単純な上位・下位の関係にあるわけではなく、それぞれ独立して異なる特徴を持ったプラン群となっています。
例えば最小容量のプランはミニミニプランですが1GB以下しか使わない場合はトクトクプランのほうが安くなりますし、最大容量のプランはコミコミプランですが割引を適用しない場合はトクトクプラン(1GB超)より安くなるなど、単純に比較することができません。
割引システム
トクトクプランとミニミニプランはある条件を満たすと月額料金から割り引かれる割引システムがあります。
①自宅ネット割 指定のインターネットサービスまたはauでんき契約者は1,100円/月割引
②家族セット割 家族でトクトクプラン・ミニミニプラン契約者がいると550円/月割引
③au PAY カードお支払い割 au PAY カードを支払い方法にすると187円/月割引
このうち①と②は重複して適用されず①が優先されます。
よって最大の割引を受けるには①と③を同時に満たす必要があり、固定回線・Wimax・auでんき等のいずれかの契約が必要です。
旧プランとの比較
2023年5月31日をもって新規受付を終了した旧プランは、くりこしプラン +5Gという名称で容量別に3プランに分かれていました。
くりこしプランS +5G | くりこしプランM +5G | くりこしプランL +5G | |
---|---|---|---|
データ容量 | 3GB | 15GB | 25GB |
月額料金 | 1,628円 | 2,728円 | 3,828円 |
旧プランも悪い意味でキャリア的な複雑な割引システムがあり、実際にいくらなのかわかりづらいなどの批判はありましたが、プラン展開自体は容量別の3プランとシンプルなものでした。
あえてデータ容量だけに着目すれば、ミニミニプランがくりこしプランS、トクトクプランがくりこしプランM、コミコミプランがくりこしプランLに対応していると言えなくもないですが、新プランとは直接の対応関係はありません。
新プランは分かりづらい!?
ここまで説明や比較を見て、新プランはわかりづらいと感じた方がいるのではないでしょうか。
実際に容量別のS/M/Lのような区分けではなく、プランごとにそれぞれ方向性がバラバラなので、正直お世辞にもわかりやすい料金体系とは言えません。
何故このようなプランごとにてんでんばらばらな方向性になってしまっているのか。
各プランをよく見てみると、他社のプランなどをかなり意識した対抗プランになっているのが透けて見えます。
特にコミコミプランは前述のとおり、同じサブブランドで人気のahamo対抗であることは疑いようがありません。
このように、他社で人気のプランを3つほど抜き出して並べれば、大抵の人はどれかにマッチするだろうという考えの下で作られたように思えますが、統一性がなく雑然としたプラン展開であるという印象は否めません。
新プランはどれがお得?
新しい3プランの中でどれがお得かと言われれば、やはりコミコミプランでしょう。
ahamo対抗のプランですが、後出しだけあってahamoより通話関係がお得になっており、純粋に上位互換のプランとなっています。
そしてコミコミプランだけ割引システムがなく余計な縛りもないため、人を選ばないという点でも好印象です。
トクトクプラン・ミニミニプランは割引を適用しない基本料金はサービス内容に対してかなり割高で、割引適用後の料金でようやく他社料金プランと対等に戦えるといった感じです。
割引適用後の料金だけ見れば、例えばLINEMOミニプランの3GB990円に対してミニミニプランの4GB1,078円など優位性がないわけではありませんが、前提として光回線やauでんきを要求されるのはさすがに重いでしょう。
コミコミプランだけ除外というのも一貫性を欠きますし、ややこしい割引システムなしでこれに近い料金設定であればなあ、というのが正直な感想です。
まとめ:複雑なプラン展開だがコミコミプランはお得
以上、UQ mobileの新プランについて見ていきました。
ちょっとネガティブな感想が多くなってしまいましたが、それはそれとしてコミコミプランの内容はコスパが高くおすすめできます。
回線速度もサブブランドだけあって間違いなく高速ですので、20GB程度のデータ量が必要でなおかつ通話もそれなりにするという方には第一候補になり得るでしょう。
それ以外のプランは、公式サイトなどでは割引適用後の料金を前面に押し出していますが、割引適用の条件をよく確認し、実際の月額料金はいくらになるのか確認の上でご契約ください。
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