2022年8月23日、マイネオがプレスリリースでeSIMサービスの提供を急遽発表しました。
そしてその興奮冷めやらぬ翌24日、今度はHISモバイルがeSIMサービスの提供・開始を発表し、同日からサービスを提供しています。
もはや天変地異の前触れではないかと疑うような怒濤の展開ですが、まずは公式発表の内容について見てみましょう。
マイネオのeSIMは全プラン対応!
マイネオは2022年8月23日のプレスリリースの中で、事前に告知のあった新プラン「マイそく ライト」提供開始と共に、eSIMサービスの開始もサプライズで発表しました!
サービス開始は翌8月24日からです。
音声通話にも対応
驚きだったのは、音声通話に最初から対応した状態でのサービス開始となったことです。
音声通話eSIMは技術的課題などから様々な困難があり、eSIMに参入するとしてもまずはデータ通信専用からかと思われましたが、結果的にeSIMの先駆けであるIIJmioより先に音声通話に対応してしまいました。
基本プランも全て対応で、マイピタ各プラン・マイそく各プラン(同日提供開始のマイそくライトを含む)、音声通話・SMS対応・データ専用、どれもeSIMで申し込むことができます。
まずはAプラン(au)
なお、マイネオはドコモ・au・ソフトバンクの3キャリア回線をそれぞれDプラン・Aプラン・Sプランとして、基本料金プランとは別に選べるようにしていますが、今回のeSIMに関しては、まずはAプランのみの提供となっています。
これまでのサブブランド以外のeSIMサービスはドコモ回線ばかりだったので、突如AプランのeSIMサービスが始まったことも予想外でした。
プレスリリースによると、Dプランは2023年2月開始予定とのことです。
マイネオ公式のeSIMサービス紹介ページはこちらになります。
HISモバイルのeSIMは自由自在290プランのみ
突然のeSIM提供開始を発表
マイネオと時を同じくして、HISモバイルも突然のeSIM提供開始を発表しました!
HISモバイルは新サービスの発表などの予告が一切無い状況で、マイネオのeSIM提供と同日の発表&即日提供となり、よりサプライズ度の高い発表となりました。
ドコモ回線で音声通話対応
HISモバイルは、eSIM対象のプランを自由自在290プランに限定しています。音声通話対応・ドコモ回線の料金プランです。
1GBなら550円で、100MB未満だった月は290円となるため、サブのeSIM回線として非常に相性のいいプランと言えるでしょう。
これまでもHISモバイルの自由自在290プランをサブ回線として使っていた方がいると思いますが、eSIM対応によりさらに使いやすくなりました。
HISモバイル公式のeSIMサービス紹介ページはこちらになります。
今回のeSIM提供開始が意味するところ
単純に、2つもの格安SIMがeSIMに対応し始めたという事実だけをとっても、今後のeSIM展開に大きな期待ができる今回の発表でした。
ですが、今回提供されるサービスの中身を見てみると、これまでの予想以上のペースでeSIM普及が進むのではないかと期待できる理由があります。
1つは、マイネオのeSIMサービスがau回線で提供されることです。
今までのサブブランド以外のeSIMは全てドコモ回線でした。つまりNTTドコモが他の回線事業者にeSIM提供にかかる設備や技術を提供していた実績は既にあったわけです。
しかしau・ソフトバンクのeSIMを他社が提供したことはなかったため、技術的な制約があるのではないか、そもそもau・ソフトバンクが他社にeSIMサービスを提供させることに後ろ向きなのではないか、などの見方がありました。
そのような不安は、今回のマイネオによるau回線eSIM提供により、少なくともau回線については払拭されました。
au系の格安SIMから、新たにeSIMを提供し始める事業者が出てくることも大いに期待できます。
もう1つは、マイネオ・HISモバイルともに音声通話対応のeSIMを提供したことです。
音声通話SIMを発行する際には、法律上、厳格な本人確認が求められます。この対応が格安SIM事業者には負担になっているという話がありました。
今回eSIMを提供開始した2社は、異なるアプローチでeSIMの本人確認要件をクリアしています。
HISモバイルは本人確認書類の住所宛に「住所確認コード」を発送するという従来通りのアナログなもので、マイネオは標準的なオンライン本人確認フレームワークである「LIQUID eKYC」を使用した最先端なものです。
HISモバイルのeSIMだが住所確認を必要とする手法について、評判が悪くなければ「多少提供開始まで時間がかかっても受け入れられるんだな」という知見が広まり、最先端技術を有しない事業者にもeSIM参入が進むでしょう。
逆にマイネオのLIQUID eKYC導入も、ノウハウが格安SIM内で共有されることで他社がオンライン本人確認を導入する際の参考になるでしょう。
いずれにしても、eSIM参入のハードルを下げるきっかけになることが期待できるのです。
2022年が格安SIMのeSIM元年になるかも!?
このように、2社が相次いで音声通話eSIMを提供したことで、今後のeSIM展開に非常に期待が持てる未来が示されました。
これに続いて、eSIM提供を始める格安SIMが増えていくことでしょう。
キャリア系以外で音声通話eSIMを選べるようになる、本当の意味でのeSIM元年が今年ということになるのかもしれません。
今後の動きに要チェックです!
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