楽天モバイルは元々法人契約ではRakuten Link Officeアプリからの通話が無料という非常に大きなアドバンテージがありましたが、楽天モバイルの法人向けプランでは2023年10月16日より「標準アプリかけ放題オプション」の提供が開始されました。
「あれ?元々かけ放題じゃないの?」と思った方も多いかもしれません。
そこで、この新しいオプションの解説とどのようなメリットがあるか紹介していきます。
標準アプリかけ放題オプションとは?
標準アプリかけ放題オプションとは、読んで字のごとく標準の通話アプリからの発信がかけ放題になるオプションです。
楽天モバイルは元々かけ放題だったとはいえ、それはあくまでRakuten Link(法人向けではRakuten Link Office)アプリの通話機能から発信した通話に限ってのことでした。
Android・iPhone標準の通話アプリから発信してしまうと22円/30秒(国内宛の場合)の通話料がかかってしまいます。
この標準通話アプリから発信したときの通話料も定額にしてしまおうというのが、当オプションの趣旨です。
ワンストップかけ放題オプション登場
こちらは通話料が段階性となるオプションです。最大で500分/月までは自動的に料金が切り替わるワンプランのオプションですので使い勝手は良好です。
通話時間 | 月額料金 |
---|---|
0〜75分 | 550円 |
75〜250分 | 1,100円 |
250〜500分 | 1,870円 |
通話時間が短い月は550円まで下がりますので、月によって通話時間のばらつきが大きい場合でも手続きも必要無く便利です。
ただし500分を超えると超過分は通常の従量課金となってしまいますので注意が必要です。
このオプションはマイページから追加・削除ができます。(毎月20日〆・翌月1日適用)
【料金無料】Rakuten Link Officeとの使い分けは?
そもそもRakuten Link Officeアプリ経由ならば無料で通話し放題(国際電話の場合条件あり)なのに、どうしてこのような有料オプションが新設されたのでしょうか?
Rakuten Link Officeは相手が当該アプリを使っている・いないに関わらず通話料無料ですし、SMSの送受信もできます。
機能的には標準通話アプリに対して何ら不足はないため、全社員がRakuten Link Officeから電話・SMSを利用してくれればそれで問題ないのです。
ですがどうしてもスマホの使い方に疎い方が出てくることは避けられず、スマホの「アプリ」という概念を理解できない方に「通話は必ず専用アプリからすること」を守らせるのは時に困難です。
音声通話を多用する業種の場合、標準通話アプリから発信してしまうことで従量課金になってしまうと多大な通話料が発生する可能性もあるでしょう。
標準アプリかけ放題オプションは、基本的にはそのようなアプリの使用に不慣れな方をターゲットとしたオプションです。
社用スマホを持つ人数が増えれば自ずと扱いに不慣れな人が出てくるため、特に法人用には重要なオプションとなるでしょう。
かけ放題の使い分けで賢く安く利用しよう
Rakuten Link Officeでの国内かけ放題は標準装備されているかけ放題になりますが、専用アプリ利用という以外にも音質面を指摘されることがあります。聞こえずらいとか明らかに音質が悪い場合がありそれが楽天モバイル利用のネックになる場合もあるようです。
今回のかけ放題オプションリリースでVoLTEのかけ放題になるので音質面でのネックは無くなります。
ただ、無制限かけ放題は月に2,420円と必ずしも安いとは言えず、元から標準装備で無料利用できるRakuten Link Officeかけ放題が何とも勿体ない感じもします。
1つの提案としては明確な使い分けを行うというものがあります。
■重要な連絡先(音質重視) → 標準アプリでのかけ放題を利用
■社内連絡や重要度が低い場合 → Rakuten Link Office利用で通話料節約
ワンストップかけ放題は月に75分まで550円で利用が出来ます。
重要顧客とのアポイント取りでは標準アプリで音質を取りたいものですが1通話10分に満たない事も多く無いでしょうか?重要だけど短時間で済みそうという時に標準アプリ通話を利用するわけです。
一方、Rakuten Link Officeは常に音質が低下しているわけではなく、データ通信利用の通話アプリなので回線速度と関係しています。社内Wi-Fiの環境下では音質的に問題ない事も多かったりします。
ワンストップかけ放題とRakuten Link OfficeのW運用で十分に通話代節約が可能になります。
海外での通話・SMSも標準アプリから可能に!
また、標準アプリかけ放題オプションの提供と時を同じくして、海外からの通話・SMSも標準アプリから可能になりました。
意外かもしれませんが、今までは標準アプリから国際通話・国際SMSは送受信ともにできなかったのです。
Rakuten Link Officeを使ってねという意図があったのでしょうが、標準アプリかけ放題オプションとともにこちらにもテコ入れがなされた形です。
具体的には、2023年10月16日から以下のことが標準通話・メッセージアプリから可能になりました。
・海外から日本への音声通話発信 / SMS送信
・海外から海外への音声通話発信 / SMS送信
・海外での音声通話着信 / SMS受信
なお、通話料や送受信料は国や地域別の従量課金となりますので、利用する国の料金をあらかじめご確認ください。
より利用者に優しくなった楽天モバイル!
今回のアップデートは、アプリを当然のように使える方にとっては興味を惹かないものかもしれませんが、社用スマホを管理するIT管理者には待ち望んでいた方も多いのではないでしょうか。
スマホやIT全般が苦手な方にも問題なくテクノロジーを使ってもらうというのはこれからの重要な課題であり、標準アプリかけ放題オプションの提供はそのための一歩と言えます。
Rakuten Link Officeは他社にはない優れたコスパを実現する機能ではありますが、それをうまく使えない方のための定額オプション提供は利用者の幅を広げる重要なアップデートだと評価できるでしょう。
これまで標準アプリからのかけ放題オプションがないことで二の足を踏んでいた方は、ぜひこれを機に楽天モバイルの採用を一考してみてはいかがでしょうか。