楽天モバイルはデータ無制限プランを筆頭に非常にコスパが高い点が魅力ですが、一方で「楽天エリアが狭い」「繋がりにくい」というネガティブな声も聞こえます。
特にオフィスの固定回線の代替など、仕事の効率に直結する回線を任せるにあたって、このような声は無視できるものではありませんよね。
実際に繋がりにくさへの懸念から導入に二の足を踏んでいる方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は「なぜ楽天モバイルは繋がりにくいと言われるのか」から「楽天モバイルを選んでも問題ない理由」まで順を追って説明していきます。
なぜ楽天モバイルは繋がりにくいと言われる?
まず、何故楽天モバイルは繋がりにくいと言われるのでしょうか?
これは決して根も葉もないネガティブキャンペーンというわけではなく、通信キャリア事業者としての歴史の浅さや割り当てられている周波数帯の性質などによります。
基地局が他キャリアより少ない
ご存じの通り4キャリアの中で楽天モバイルの参入が最も遅く、新規参入に関するニュースや各種報道がまだ記憶に新しいという方も多いでしょう。
そのために基地局の整備状況が他キャリアと比較すれば劣る点はどうしても否めません。
楽天モバイルもエリア整備は急ピッチで進めており2024年3月末時点で人口カバー率99%を達成、楽天モバイル公式のサービスエリアマップでは現実的にほぼ問題ないカバー状況であるように見えます。
ですがここで問題となるのが基地局の密度です。
電波が届く範囲に基地局が一つでもあればカバーエリア内と判定されますが、そのエリアをカバーしている基地局が少なければ建物の影など電波環境が悪いときの影響が大きくなります。
単純な人口カバー率ではそれなりに他社と肩を比べられるようになったものの、基地局の密度など設備の充実度ではまだ3キャリアに及びません。
ようやく始まる待望のプラチナバンド
都市部では5G通信が現実的になってきたものの、まだまだカバーエリアでは4G通信がメインであり、まだ数年はこの状況が大きく変わることはないでしょう。
ここで問題となるのが、4G通信において楽天モバイルのみ今まで「プラチナバンド」が割り当てられてこなかったことです。
4G通信に使う周波数帯は1.7GHzや2.3GHzなど高周波数帯が多く、各社ともこれらの高周波数帯をメインにしています。
高周波数帯は通信速度が高速なのですが一方で直進性が高く、遮蔽物を回り込みにくいため建物の影や屋内で電波が悪くなるのが欠点です。
そこで電波の回り込みに優れる低周波数帯を組み合わせてこの欠点を補います。この700〜900MHzの低周波数帯のことをプラチナバンドと呼んでいます。
このプラチナバンド、今まで4キャリアの中で楽天モバイルのみが割り当てられておらず、そもそも楽天モバイルの4Gの周波数帯は1.7GHz(バンド3)のみでした。
しかしながら、2023年秋に楽天モバイルにもプラチナバンドが割当られ、楽天プラチナの1号電波を6/27発射しました!
よく耳にする「楽天モバイルだけ屋内で繋がりにくい」という声はおそらくプラチナバンドの欠如によるものと考えられます。
今後のエリア展開に期待です。
法人回線に楽天モバイルを選んでも問題ない理由
このように楽天モバイルが繋がりにくいと言われるのには理由があるのですが、それでも法人向けのインターネット回線としては上記のような要因は問題にならないと考えられます。
その理由は以下のとおりです。
固定回線代わりなら電波の良い場所に設置すれば問題なし
前述の通り、楽天モバイルが繋がりにくいと言われる理由は建物の影や屋内などの環境で電波状況が悪化しやすいためです。
一方でデータ無制限プランを固定回線の代替として使う場合は、楽天モバイルの電波を掴むためのモバイルルーターだけを窓際等の電波状況が良いところに設置すればいいため、問題になりません。
あとは適宜無線LANルータなどを間に繋げれば、実際のパソコンや業務用端末は場所的な制約を受けることなく通常の固定回線と同様に使えます。
このことからも、楽天モバイルは固定回線の代替に非常に向いていると言えます。
au回線とのローミングがある
楽天モバイルは基地局の整備状況を補うためにauと契約し、楽天モバイルのエリア外や電波状況が悪い場所ではauの設備を使って通信を行えるようになっています。これをローミングと言います。
元々これは暫定的な措置であり、楽天エリアの拡大に伴って段階的にローミングを終了していく予定でしたが、設備投資の負担が重いことなどから方針を一転、au回線のローミングを拡大する方向へかじを切りました。
新たなauとのローミング協定は2023年4月に締結し2023年6月から提供が始まりました。2026年9月までの提供となっていますので、少なくとも3年間はauの広大な通信エリアを活用できることになります。
またこれに伴い、これまでは無制限プランでもau回線のローミング中は「パートナー回線エリア」として別途容量の制限があったところ、これも廃止され無制限の対象になりました。
これは法人契約についても同様で、パートナー回線でも無制限にデータ通信が可能です。(無制限プラン以外は使用できる容量が少ないので注意が必要です。)
耳寄りな情報!法人契約を優先に電波改善
楽天モバイルでは法人回線を優先に電波の改善を行う方針を示しており、法人契約者は改善リクエストを出す事が可能です。
近場のアンテナの角度を調整して入りやすくしたり、あまりに入りが悪いとアンテナ増設等で対応します。
注意点としては即実行されるわけではないのと100%希望が通る保証まではしていないところです。
ちゃんと使えるけどもっと改善して欲しいという法人さんに向く施策だと思われます。
楽天モバイルは繋がりにくくない!法人回線に最適
以上をまとめると、
・楽天モバイルが繋がりにくい要因はあったが、固定回線の代替としては問題にならない
・auとのローミング強化により繋がりにくい性質(基地局数・周波数帯)自体が解消された
・2023年10月にプラチナバンドの割り当てが受けられ、年内に最初の電波を照射
・法人契約者は電波改善リクエストを出す事が可能
ということになり、いずれにしても法人回線としては何ら欠点無く使えるというのが結論です。
元々楽天モバイルは「エリアが狭いが、その分安くデータ無制限が使える」という性質から固定回線の代替に向いたモバイル回線として注目されていました。
そしてauローミングの拡大とともにパートナーエリアのデータ通信も無制限となったことにより、さらに死角のない回線へと進化したと言えます。
特にコストを抑えつつ業務効率は維持したいという法人回線用途にはピッタリの内容となっていますので、ぜひ楽天モバイルを業務にお役立てください。