Rakuten Hand 無印(4G)と5Gの違いは?無印は今でも使える?

法人回線の契約にあたって悩ましいのが端末の調達です。
当然その回線を使うための端末が必要になるわけですが、回線数が多くなると必要な端末数も多くなり、端末代金の多寡がコストに大きく響いてきます。
かといってサポートが手薄な格安スマホも社用としては選びづらいところです。

その点、楽天モバイルは公式で自社名を冠した格安スマホを提供しているのが大きな強みです!
特に安価でコンパクトながら必要十分な性能を持ったRakuten Handは個人向けでも大人気で、法人向けにも間違いなくおすすめできる一品です

ところで、現在楽天公式で販売されているのは「Rakuten Hand 5G」。
この前機種に当たる「Rakuten Hand」が存在するのはご存知ですか?
初代Rakuten Handと現行のRakuten Hand 5G、今から初代Handを使うのはありなのか?について、世代間の変化を見ながら検証していきたいと思います。

無印(4G)と5Gはどれくらい違う?

初代Rakuten Hand(以下無印)から5Gへの移行は、無印を置き換える形で行われました。
つまり5G発売後は速やかに無印の販売が終了し、5Gに一本化されたというわけです。
そして機種名からも分かる通り5G対応を全面に押し出してプロモーションが展開されましたが、実際のところ、5G対応以外に大きな変化はありません。

筐体は大きさが完全に同一(約138 x 約63 x 約9.5mm)なことからおそらく同じですし、内部的にもせいぜいマイナーアップデート版にとどまる程度の変化です。
なので併売する必要もなく、無印の5G対応版としてリプレースされたわけですね。

つまり先に結論となってしまいますが、社用スマホ・法人向けスマホとしては無印でも5Gでもほとんど変わりないということになります。

無印・5Gスペック表抜粋

前項の通りRakuten Hand 無印と5Gは内部スペックもかなり似通っていますが、注目すべき変化点のみ抜粋して表にまとめました。
他にも細かい違いはありますが、大きな違いはこの程度です。

Rakuten HandRakuten Hand 5G
① SoCSnapdragon 720GSnapdragon 480 5G
② 防水/防塵 IPX2 / IP5X IPX8 / IP6X
③ 内部ストレージ 64GB 128GB
④ SIMスロット eSIM×1 eSIM×2

差異についての詳細

以下、各項目ごとに差異と詳細を解説します。

①SoC

SoCではピンとこずともCPUと呼ぶとわかる方が多いかもしれません。
スマホ等小型のモバイル機器ではCPUを含めた多くのメインチップを一つのパッケージとしてワンチップ化しており、このパッケージ全体をSoC(System on a Chip)と呼んでいます。
Snapdragon 480の方には末尾に5Gがついているように、モバイルSoCには4G/5G通信用モデムまで含まれていますが、細かいことをさておけばCPUと読み替えても構いません。

さて、Rakuten Hand無印から後継の5Gで「Snapdragon 720G」→「Snapdragon 480 5G」へと変更されています。
当時のSnapdragonの命名規則では、百の位が7のSoCはミドルハイ(中の上)、百の位が4はローエンドを表していました。
後継機種なのに性能上最も重要なSoCがダウングレードされたとあって、Rakuten Hand 5G発表時は一部で騒がれたりしたものでした。

実際のところ上記の2つのSoCは世代が異なり、720Gと480 5Gは同程度の性能と言っていい程度の差異です。
細かいことを言えば、CPU性能は若干720Gのほうが上、グラフィック性能やメモリ性能などは480 5Gのほうが上ですが、実用上その差を感じることはまずないでしょう。
Rakuten Handでの計測データではありませんが、Geekbench 6というベンチマークソフトの公式データベースに現在記録のある、Snapdragon 720Gと480 5GのCPU性能の数字を以下に示します。

SoCシングルコア性能マルチコア性能
Snapdragon 720G 671〜7341658〜1709
Snapdragon 480 5G 674〜6791568〜1765

端末差や測定誤差に吸収される程度のCPU性能差と考えて問題ありません。
つまり、古いRakuten Hand無印を選んでも性能面では遜色はないということです。

また、端末名からもわかると思いますが、SoCの違いによりRakuten Hand 5Gのみ5G通信に対応しています。
これは前述の通りSnapdragon 480 5Gの方にのみ5G通信対応のモデム(Snapdragon X51 5G Modem-RF System)を内蔵するためです。
ですが現在の5G整備状況やRakuten Hand 5G自体の性能を鑑みるとメリットはほとんどなく、法人向けならなおさら意識されることはないでしょう。

②防水/防塵

次は防水・防塵性能の違いです。
個人利用でもスマホの防水性能は重視されることが多く、その際に使われるIP保護等級を目にしたことがある方は多いでしょう。

IP保護等級は防水性能と防塵性能を両方表しており、左側の数字が防塵性能を、右側の数字が防水性能を表しています。
表記法としては防塵防水を合わせて「IP68」、または防水/防塵で「IPX8/IP6X」と分けて表記したりします。
この例ではどちらも防水等級が8、防塵等級が6で有ることを示しています。

以下、防水と防塵で分けて実際の内容と2機種の差異について解説します。

防水

Rakuten Hand 無印の防水等級はIPX2、Rakuten Hand 5GはIPX8です。
それぞれの保護の程度は以下の通りです。

等級保護の程度
IPX2(Hand 無印)垂直より左右15°以内からの降雨によって有害な影響を受けない
IPX8(Hand 5G)水面下での使用が可能

等級上、非常に大きな差がついています。
Rakuten Hand 無印のIPX2は端末に対してあまり角度をつけずに雨が当たったときに被害が出ないことを示すもので、風雨や不意に水しぶきが吹き付けた場合などにはやや心もとない保護力です。
一方のHand 5Gは完全防水となっており、完全に水面下に沈めても影響を受けないとされています。

確かに差は大きくIPX8を必要とする業種・業態も存在はするでしょうが、通常のスマホの使い方では雨が降っている中で濡れながらスマホを操作する必要性はあまり考えられません。
またIPX8は耐故障性の観点から完全防水を規定してはいますが、濡れた状態でタッチパネル等が正常に動作するかどうかは別問題であり、いずれにしてもこのスマホはずぶ濡れになりながら使うものでも使えるものでもないでしょう。

ですのであくまで保険としてどの程度まで防水性を求めるかによりますが、通常のスマホとしての使い方ならば、IPX2であまり問題は出ないのではないでしょうか。

防塵

Rakuten Hand 無印の防塵等級はIP5X、Rakuten Hand 5GはIP6Xです。
それぞれの保護の程度は以下の通りです。

等級保護の程度
IP5X(Hand 無印)粉塵からの保護
IP6X(Hand 5G)完全な防塵構造

防塵等級の最大はIP6Xであり、Rakuten Hand 5Gは最大の防塵機構を実現しているというわけです。
ですが無印もそれに準じるIP5Xであり、粉塵が舞うような悪環境での使用もどちらも耐えられる等級と言えるでしょう。
オフィスでの使用ならば言うまでもなく、十分すぎる保護能力です。

③ストレージ容量、④SIM

どちらも法人用途では基本的に問題にならないでしょう。
社用スマホとしての性質、Rakuten Handのサイズやスペックからあまり大きいデータをスマホ上にたくさん置く使い方は想定しませんし、デュアルSIM運用なども想定外でしょう。
個人用スマホ目線では容量が少ない・SIMスロットは2つほしいなどと思う方もいるかもしれませんが、実際に困ることはあまり考えられません。

その他細かい差異

その他の違いとしては、メインカメラの画素数(広角4800万画素→6400万画素)や重量(129g→134g)、LTEアップロード速度(最大75Mbps→102Mbps)などがありますが、特筆すべき点はありません。

バッテリー容量は同じ(2,630mAh)ながらLTE連続待受時間はRakuten Hand 5Gのほうが短くなっています(約402時間→約343時間)。これはAndroidの設定で5G通信をオフにすると同程度に戻るかもしれませんが、詳細は不明です。

結論:防水性能以外はほぼ同等

以上のように、スマホのスペックとしてはほぼ同程度と考えて問題なく、唯一防水性能だけは大きく異なるので使用シーンについては要検討です。
もしどうしても水しぶきがかかるリスクが避けられないということであればRakuten Hand 5Gを選ぶべきですが、そうではないほとんどのシーンにおいては防水性能も含めて大差ないという結論になるでしょう。

Rakuten Hand 5G新品でも非常にコスパが高い端末ですが、もし安価にRakuten Hand無印の中古やリファービッシュが手に入るのであれば、今も無印で問題なく使えますのでご安心ください。

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